相続した土地の使い道

空き地を駐車場にするときの届出と規制 駐車場法12条の対象と道路への出入口の承認

内容の確認日: 2026年11月3日

空き地を駐車場にするとき、駐車場法12条の届出が要るのは、都市計画区域内で、料金を取り、駐車の用に供する部分が500平方メートル以上の路外駐車場です。数台分から十数台分の小さな駐車場は、この届出の対象になりません。

届出の対象になるかどうかとは別に、道路から車が出入りする工事は、道路管理者の承認が要ります。この記事は一般的な情報で、個別の判断は駐車場の届出先の市区町村や道路管理者などの窓口にお願いします。内容は2026年11月4日に確認しました。

駐車場法12条の届出が必要になる条件

駐車場法12条は、都市計画区域内で、路外駐車場のうち駐車料金を取るものを設置する人に、あらかじめ都道府県知事等への届出を求めています。市の区域では市長が届出先です。条文に出てくる「前条の路外駐車場」は、11条で自動車の駐車の用に供する部分の面積が500平方メートル以上のものを指します。

木造の家の隣にある時間貸し駐車場
写真: Miquel Ràmia / CC BY-SA 2.0(Wikimedia Commons)

路外駐車場とは、駐車場法2条2号で、道路の路面外に設置される自動車の駐車のための施設で、一般公共の用に供されるものです。整理すると、届出が必要な駐車場は次の条件をすべて満たすものです。

  • 道路の外にある、一般公共の用に供する駐車場である。
  • 駐車の用に供する部分が500平方メートル以上である。
  • 駐車料金を取る。
  • 都市計画区域内にある。

大田区のページは、駐車ます(車を止める部分)の合計が500平方メートル以上で、車路や管理室の面積は含まないとしています。北九州市のページは、機械式の部分を1台あたり15平方メートルで計算するとしています。

月極駐車場の扱いは、自治体のページで説明が違います。大田区は、利用者が限定されている月極駐車場や従業員専用の駐車場を対象外としています。港区は、一般公共の用に供する部分の面積の合計が500平方メートル以上かを見るとして、定期貸しの部分と特定の人が専用で使う部分を除いています。北九州市は、月極駐車場や、定期券・回数券を発行する駐車場も対象に含めています。月極で貸す場合は、所在地の窓口に聞いて確かめます。

届出の時期・書類・その後の手続き

条文は「あらかじめ」届け出ると書くだけで、日数は書いていません。自治体のページでは、北九州市が供用開始の1週間前までと書いています。大田区と港区のページ本文には時期の記載がなく、大田区は別の資料で案内しています。

秋田市役所の本庁舎
写真: 掬茶 / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)

提出する書類も自治体で違います。北九州市のページに載っている新設の書類は次のとおりです。

  • 路外駐車場設置(変更)届出書及び受理通知書
  • 地形図(1万分の1以上)
  • 平面図(200分の1以上)
  • 建築物の場合は、各階平面図、立面図及び断面図
  • 機械式の場合は、大臣認定書の写しや設置計画書など

港区は、設置届出書や駐車施設等の概要、地形図、平面図などの提出を求めています。平面式の駐車場などで特定路外駐車場にあたる場合は、別に特定路外駐車場の届出が必要です。大田区のページにも、同じ趣旨の注意書きがあります。

特定路外駐車場は、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律2条13号で、路外駐車場のうち、駐車の用に供する部分が500平方メートル以上で、駐車料金を取るものです。建築物や公園施設などに当たるものは除かれます。

届出のあとにも手続きがあります。駐車場法の13条から14条は、次のように定めています。

  • 管理規程を定め、供用の開始後10日以内に届け出る。
  • 管理規程を変更したときは、10日以内に届け出る。
  • 供用を休止か廃止したとき、休止した駐車場を再開したときは、10日以内に届け出る。

12条、13条、14条に違反した人は、22条で50万円以下の罰金に処するとされています。11条は、500平方メートル以上の路外駐車場に政令で定める技術的基準を求めています。出入口の位置や車路の幅などです。基準の詳しい内容は、届出先の窓口と、国土交通省や自治体の資料で確かめます。

500平方メートル未満の駐車場で確かめること

12条の届出の対象にならない小さな駐車場でも、何も手続きがないとは限りません。確かめる点は次のとおりです。

住宅やアパートに面した舗装済みの駐車場
写真: Asturio Cantabrio / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)
  • 土地の地目が農地なら、農地法の手続きが先に要ります。手続きは農地を貸す・転用するときの記事で扱っています。
  • 市街化調整区域の土地なら、開発許可や建築許可の扱いを確かめます。市街化調整区域の記事にまとめました。
  • 市区町村の窓口で、条例や要綱などに駐車場の独自の決まりがないかを聞きます。
  • 固定資産税は、住宅が建っていた土地を駐車場にすると上がる場合があります。固定資産税の記事を見てください。

駐車場の初期費用や、月極と一括借り上げの違いは、相続した土地を駐車場にするときの記事で説明しています。

道路との出入口の工事には承認が要る

駐車場の出入口をつくるために歩道を切り下げたり、ガードレールを撤去したりする工事は、道路法24条で、道路管理者の承認が要る工事にあたります。道路管理者以外の人が、道路の設計と実施計画の承認を受けて行う工事です。

住宅の前の駐車スペースに止まる乗用車
写真: Rorowan / パブリックドメイン(Wikimedia Commons)

川崎市のページには、駐車場への車の乗入れに伴う承認工事の例として、住宅や商店への出入口の歩道の切下げ、ガードレールの一部撤去、植栽の撤去や移設が挙げられています。工事の費用は承認を受けた人が負担します。申請先は、同市では各区役所の道路公園センターです。市道か県道か国道かで、窓口は変わります。

同じページは、駐車場と道路の段差を埋めるために、道路上に乗り上げブロックを置くことは禁止だと書いています。段差をなくすには、切下げ工事(承認工事)をします。承認の可否や条件は道路管理者が決めるので、設計の前に窓口へ相談しておくと、やり直しを避けられます。

駐車場にする前に比べておきたいこと

届出や承認の手続きは、土地の場所と広さで変わります。同じ土地でも、駐車場のほかに賃貸住宅や貸し農園などの使い道があります。税金と費用を並べて比べてから、駐車場にするかを決めます。

駐車場の運営は、自分で月極で貸す方法と、事業者に土地を貸す方法に分かれます。事業者への相談は、貸し方と条件を聞く機会になります。

駐車場以外も含めて広く比べたい場合は、複数の会社に土地活用のプランを請求して並べます。

プランを並べる方法はプランの比べ方の記事に、請求の前にそろえる資料は請求前の資料の記事にあります。

出典

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