相続した土地の使い道

土地活用で固定資産税・都市計画税はどう変わるか 住宅用地の特例が外れる場合と残る場合

内容の確認日: 2026年11月3日

土地活用で固定資産税と都市計画税が変わる分かれ目は、1月1日の時点でその土地が住宅の敷地として使われているかどうかです。住宅やアパートの敷地なら住宅用地の特例が続き、駐車場や更地にすると特例の対象から外れます。

特例が外れると、課税の元になる額が大きく変わります。固定資産税の課税標準は、小規模住宅用地なら価格の6分の1、それ以外の住宅用地なら3分の1です。この記事は一般的な情報で、個別の判断は市区町村の資産税の窓口や税理士などの専門家にお願いします。内容は2026年11月4日に確認しました。

税額が決まる仕組みと1月1日の基準

固定資産税は、土地や家屋の持ち主にかかる市町村の税金です。総務省の資料では、標準税率は1.4%、課税標準は適正な時価に基づく価格、賦課期日は当該年度の初日の属する年の1月1日とされています。市町村は条例で、標準税率と異なる税率を定めることもできます。

建物のない広い空き地
写真: JunK / Public domain(Wikimedia Commons)

都市計画税は、原則として市街化区域内の土地と家屋にかかります。総務省の資料では、制限税率は0.3%です。税率は市町村が条例で決めます。

ここで大切なのは賦課期日です。1月1日の時点の使い方で、その年度の特例の有無が決まります。年の途中で駐車場に変えても、その年度の税額は変わりません。変更の影響は翌年度の税額に出ます。浜松市のQ&Aには、古い住宅を取り壊して貸し駐車場にしたところ、翌年度の固定資産税が高くなった例が載っています。市は理由を、1月1日現在で住宅の敷地として使っていないため特例が外れたからだと説明しています。

住宅用地の特例の中身

地方税法349条の3の2は、住宅の敷地の用に供されている土地について、固定資産税の課税標準を引き下げる特例を定めています。住宅用地は、価格の3分の1が課税標準です。そのうち面積が200平方メートル以下の部分は小規模住宅用地として、価格の6分の1になります。

戸建て住宅が並ぶ住宅地
写真: NISHIGUCHI,Masahiro (Nisiguti) / CC BY-SA 3.0(Wikimedia Commons)

200平方メートルを超える場合は、住宅の数が関わります。条文は、敷地の面積を住居の数で割った面積が200平方メートル以下なら全体を、超えるなら200平方メートルに住居の数をかけた面積を、小規模住宅用地とします。たとえば住居が4戸あるアパートで敷地が1,000平方メートルなら、800平方メートルまでが小規模住宅用地です。鹿児島市の資料では、小規模住宅用地の上限は家屋の床面積の10倍までとも書かれています。

都市計画税は、地方税法702条の3が定めています。小規模住宅用地は価格の3分の1、それ以外の住宅用地は価格の3分の2です。

表は左右に動かして読めます。

土地の区分固定資産税の課税標準都市計画税の課税標準
小規模住宅用地(住居1戸あたり200㎡まで)価格の6分の1価格の3分の1
一般の住宅用地(小規模以外の住宅用地)価格の3分の1価格の3分の2
住宅用地ではない土地価格価格

東京都主税局の資料では、住戸の数は原則として1棟を1戸とし、共同住宅の一室など居住のために独立して区画された部分が複数あるときはその数とされています。住宅と店舗を兼ねる併用住宅は、総床面積に占める居住部分の割合が4分の1以上の家屋が対象です。

賃貸住宅・駐車場・更地で何が変わるか

東京都主税局の資料は、住宅用地に専用住宅のほか、アパートやマンションなどの共同住宅の敷地、その敷地と一体の庭や居住者用の駐車場として使われる土地を含めています。賃貸住宅を建てて貸す活用なら、敷地は住宅用地のままです。

2階建てのアパートと敷地内の駐車場
写真: MC MasterChef / CC BY-SA 2.5(Wikimedia Commons)

これに対して、住宅が建っていない土地には特例がありません。駐車場にした場合は、秋田市のQ&Aも浜松市と同じ説明です。住宅を取り壊した結果、土地が住宅の敷地ではなくなったため、特例が適用されなくなり、税額が上がったと考えられるとしています。

浜松市のQ&Aには、続きがあります。自分の住宅を新築し、その敷地の一部を自分用の駐車場にしても、住宅と同じ画地として使っているなら特例が適用されるという回答です。駐車場があるから特例が外れるのではなく、住宅の敷地かどうかで決まります。

活用の種類ごとにまとめると、次のようになります。

  • 賃貸住宅を建てる: 敷地は住宅用地。住居の数に応じて小規模住宅用地の枠が広がる。
  • 駐車場にする: 住宅がなければ特例の対象外。
  • 更地のままにする: 住宅がなければ特例の対象外。
  • 住宅を残して一部を駐車場にする: 住宅と同じ画地の自己用駐車場は特例の対象になる。ただし自治体の判断を確かめる。

駐車場の初期費用や、消費税、相続税の評価は相続した土地を駐車場にするときの記事で、賃貸住宅を建てた場合の相続税評価は賃貸住宅と相続税評価の記事で扱っています。

空家法の勧告を受けた敷地は特例から外れる

住宅が建っていても、特例が外れる場合があります。地方税法349条の3の2の括弧書きは、空家等対策の推進に関する特別措置法による勧告がされた、管理不全空家等と特定空家等の敷地を、住宅用地から除いています。勧告を受けた空き家の敷地は、住宅が建っていても、小規模住宅用地などの特例の対象になりません。

空き家を壊して活用する方法を考える場合は、勧告の有無も確かめておきます。勧告の通知は、市区町村の空き家対策の担当課から届きます。

仮の数字で見る差

特例の有無で、どのくらい差が出るかを仮の数字で計算します。税額が出る流れを見るための例で、実在の土地の計算ではありません。

戸建て住宅が並ぶ住宅地
写真: Peka / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)

土地が150平方メートルで、課税標準の元になる価格を3,000万円とします。固定資産税は標準税率の1.4%、都市計画税は制限税率の0.3%で計算します。

  • 住宅用地の場合: 固定資産税は3,000万円の6分の1の500万円に1.4%をかけて7万円。都市計画税は3,000万円の3分の1の1,000万円に0.3%をかけて3万円。合計10万円。
  • 住宅用地でない場合: 固定資産税は3,000万円に1.4%をかけて42万円。都市計画税は3,000万円に0.3%をかけて9万円。合計51万円。

実際の税額には、負担調整措置や、市町村が定める税率、免税点などが関わります。この計算は、それらを入れていない目安です。自分の土地の税額は、毎年届く課税明細書で確かめられます。

活用案ごとの税額を見込むには

鹿児島市役所の庁舎
写真: Suicasmo / CC0(Wikimedia Commons)

税額の見込みは、活用を決める前に調べます。調べ方は次の順番です。

  1. 手元の課税明細書で、土地の価格(評価額)と課税標準額、住宅用地の区分を見る。
  2. 市区町村の資産税の窓口で、活用後の土地が住宅用地になるかを聞く。
  3. 東京都のように、申告が必要な自治体では、期限と様式を聞く。

東京都主税局の資料では、登記をしない場合に、住宅の新築・増築、取り壊し、建て替え、用途の変更、土地の利用状況の変更のときは「固定資産税の住宅用地等申告書」の提出が必要とされています。住宅の庭を駐車場に変えた場合も、この申告の対象です。申告の扱いは自治体で違うため、所在地の窓口で確かめます。

活用案ごとの収支は、税額を入れて見比べます。比べる材料は、複数の会社に活用プランを請求すると集まります。

プランを比べるときの見方はプランの比べ方の記事に、請求の前にそろえる資料は請求前の資料の記事にまとめました。

出典

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